自身の半生を振り返り、生と死どちらの扉を選ぶのかにまつわる本作。
書庫を訪れる人々の抱える問題は一つ一つ異なります。そして、個々人が導き出す答えも。けれど、ある人物同士の置かれた境遇には符合する点があったりと、少しの違いで別の答えを出していたかもしれないと思わされる構成力の高さが魅力です。
それと、各人物の半生を振り返る際に、本作に登場する別の人物の話が出てくることがあり、それが各話同士の繋がりを感じさせてくれて美しかったと思います。私がそういうのが好きだからというのもあるのでしょうけれど……。
では最後に。読み終わった時不思議な満足感がある本作、皆さんもぜひご一読してはいかがでしょうか?