教室で起きた事件。幽霊の噂。
それを解明しようと夜の学校に集まる少年たち。
わくわくするシチュエーションが冒頭からしっかり散りばめられていて、この先どうなってしまうのかと、楽しく拝読しました。
謎に思いがけない登場人物が絡んでいて、一件落着……と思いきや!
事件の理由も小学生らしい等身大のもので、ラストに夢のある部分を残しているのも、個人的には好きです。
世の中には不可思議な事件や状況がたくさんあり、背景や理由が説明できる事柄ばかりではありません。人の心だって、不思議な動きをすることばかりですから。
少年少女時代の躍動感、いたずら心を思い出したい時に、ぜひご一読ください。
ある日突然、五年一組の教室に起こり始めた怪異。
生徒たちに直接の危害はないけれど、不可思議な現象が立て続けに起こるので、とうとう学級で問題提起されることに……
犯人は誰なのか。
先生は受け持つ生徒たちに道徳を説くけれど、誰も犯人とは名乗りでない。
よくある学級トラブルかと思いきや、話はだんだんカルトな方向に逸れていき……?
主人公とそのクラスメイトたちの生き生きとした子どもらしいやり取りの間に、そっと挟まるヒヤリとする怪奇現象。
先生世代と生徒たちとの間につながる、細く長い奇妙な縁にホロリとさせられます。
ヒューマニズムとノスタルジーが香る、優しい学校の怪談です。